1949年11月号「婦人公論」の対談では、笠置シヅ子が先輩である淡谷のり子の「雨のブルース」を絶賛し、「愛情のこもった歌、とにかく歯が立たぬ」と尊敬の念を込めて語っています。

二人の恋愛観についても語られており、淡谷のり子が笠置シヅ子に対し「恋人でもこしらえるといい味が出るのではないかと思います」といったアドバイスをしています。

基本的には、笠置シヅ子に対して先輩風を吹かす淡谷のり子という構図の対談です。
しかし淡谷のり子が「私は笠置さんの“センチメンタル・ダイナ”が一番好きですね」と発言するなど、辛口コメントで知られる淡谷のり子から「好き」という言葉を引き出した部分も掲載されています。

対談が掲載された号は図書館などのデータベースに残されているので、対談の全貌が気になる方はぜひ探して読んでみてくださいね。

笠置シヅ子と淡谷のり子は同時期に活躍した歌手のため、共演機会が多く対談も行われました。

しかし実際にドラマのような親友関係、生涯のライバル関係という対等な関係にあったかどうかは、現在残されている資料からは読み取れません。

笠置シヅ子は50年代に女優に転向した一方、淡谷のり子は92歳で生涯に幕を閉じるまで歌手としてステージに立ち続けたので、後年は活躍の場が離れていました。

対談内容を見る限りは先輩・淡谷のり子と後輩・笠置シヅ子という関係に近いと感じられ、私生活でも親密な交流があるような雰囲気はなかったので、ドラマでの関係は脚色強めのフィクションとして見るのがいいかもしれませんね。

笠置シヅ子と淡谷のり子の関係と共演、週刊誌対談、晩年の仲についてお届けしました。
二人をモデルにした朝ドラ「ブギウギ」もぜひチェックしてみてくださいね。