その後、1992年10月に上京した山崎まさよしさんは、マネキン人形運びのアルバイトをしながら、オリジナル曲の制作をしつつ…ライブハウスへの出演、さらにBARBEE BOYS・杏子さんへの楽曲提供、CMソングやスタジオミュージシャンの仕事など、頼まれた仕事は片っ端から受けていたそうです。

1992年11月には、RCサクセションの「トランジスタ・ラジオ」のカバーシングルをキティ・レコードからリリース。

1994年3月からは、フジテレビ系深夜番組「寺内ヘンドリックス」に準レギュラーとして出演していたことも…

そしてこの頃、山崎まさよしさん自身のアルバムのレコーディングも開始されていたのですが、キティ・レコードの経営悪化に伴って、山崎まさよしさんのメジャーデビューの話は棚上げに…。

山崎まさよしさんを見出した音楽プロデューサーは、責任を感じてキティ・レコードを退社し、別のレコード会社に彼を売り込みに歩いたそうです。なお、この音楽プロデューサーは後に、山崎まさよしさんのチーフマネージャーとなっているそうです。

そして、1995年、ようやくポリドール・レコードとの契約にこぎつけた山崎まさよしさんは、同年9月にシングル「月明かりに照らされて」で、念願のメジーデビューを果たしました。

ちなみに…デビュー当時の山崎さんのキャッチコピーは「天才より凄いヤツ」だったそうな。

さらに、1996年2月には、これまで温めてきた「中華料理」をセカンドシングルとしてリリースすると、同年4月には、約2年のレコーディングを経て完成したファーストアルバム「アレルギーの特効薬」をリリース。

また、同年9月には、後にSMAPがカバーして大ヒットを記録する「セロリ」を発表しています。

そして、翌1997年1月、篠原哲雄監督による初の主演映画である「月とキャベツ」が公開されるとともに、映画の主題歌となった「One more time, One more chance」もほぼ同時期に発売されると、ヒットチャートをジワジワと駆け上がるロングヒットを記録しました。

山崎まさよしさん初の主演映画「月とキャベツ」から約22年が経過した2019年11月、同作と同じ篠原哲雄監督による長編映画「影踏み」で、山崎まさよしさんは再びの主演を果たしています。

もちろん今回も主題歌「影踏み」も担当した山崎まさよしさんですが、今作ではそれだけでなく、劇中音楽も山崎まさよしさんが担当したことで話題になりました。

俳優として本作の撮影がすべて終了してから、編集前のラッシュ映像を何度も見返しながら、劇中音楽を書き下ろしたという山崎まさよしさんは、映画音楽のあり方について、次のような独自の見解を語っています。

この映画「影踏み」は、重厚なサスペンス仕立ての作品ですが、エンドロールで静かに流れる山崎まさよしさんのバラード調の楽曲が、緊張感漂うラストを優しく包み込んでくれると話題になっています。