中島らもは学生時代から死ぬまで、アルコールに溺れるアルコール依存症患者だったと言われています。

名門・灘中学校という日本トップレベルの進学校に約150人中8位という高成績で入学しながら、次第に親や教師に言われるままの勉強ロボットになっている自分に気付き、自身を取り巻く環境に幻滅したことで荒れた生活を送るように。

灘中学校から灘高校在学中に煙草や薬、そして酒に手を出したことで、ここから中島らものアルコール依存症への道が始まります。

高校生にして酒と煙草を覚え、大学浪人中には繁華街のフーテン達と酒や薬物に溺れ、人気作家となってからも酒と薬はやめませんでした。

やめるどころか作家として作品の着想を酒や薬を摂取した時の酩酊から得ており、酒と薬がなければ数々の名作は生まれなかったかもしれません。

しかし中島らもはそんな自分がアルコール依存症に陥っていることを自覚しており、酒や薬による極度の疲労感や食欲の減退に悩まされていました。

次第に体重は減少し、嘔吐や失禁をするまでに。尿の色が異常になり、黄疸も出たことから病院にかかると、アルコール性肝炎であることが発覚しました。

アルコール依存症の自覚がありながらも酒をやめる選択はしなかった中島らもですが、アルコール性肝炎が発覚したことで50日間の入院となります。
そしてこの時の経験をもとに執筆したのが、中島らもの代表作「今夜、すべてのバーで」です。

「今夜、すべてのバーで」では、中島らものアルコール依存症の経験談とアルコール性肝炎の治療、それに伴うエピソードや人間関係が赤裸々に、そして退廃的に美しい文章で綴られています。

アルコール依存症の恐ろしさの中にもどこか羨望してしまうような生き方があり、これこそがまさに中島らもが天才と呼ばれる所以ではないかと感じられます。

中島らもは52歳という若さで、その直前まで元気に仲間と酒を酌み交わしていたにもかかわらず、突然にこの世を去りました。その死因をお伝えします。

2004年7月15日、中島らもはフォークシンガーの三上寛、バンド「あふりらんぽ」が神戸で開催したライブに飛び入り参加し、ライブ後に三上寛と酒を飲みました。

お開きとなり三上寛と別れた後の16日未明、飲食店の階段から転落して全身と頭部を強打。
脳挫傷による外傷性脳内血腫となり、入院して手術を受けたもののダメージは重く、自発呼吸もできない状態になりました。

その後、中島らもの意識は戻ることなく、人工呼吸器を停止。2004年7月26日、52歳の若さで死去しました。

死因は酒に酔って階段から転落し、脳挫傷による外傷性脳内血腫になったためです。アルコール依存症に陥っていた中島らもは、酒を飲んで酩酊したことで死に至る怪我をしました。
葬儀は身内と近親者のみで行われ、遺骨は墓を建てずに散骨されています。

死後の現在は追悼ライブやイベントが行われており、2014年には親交のあった芸能関係者を招き「中島らもメモリアルWEEK 2014」を開催。
コントやトークショー、音楽ライブなどが行われました。

死してなお愛され、多くの人に影響を与えてきた中島らも。彼が残した作品をこれからも愛していきたいですね。

天才・中島らもの伝説、アルコール依存症と死因についてお届けしました。
中島らもの生涯、生き様は彼の著書で追体験することができます。ぜひ天才作家・中島らもの書籍もチェックしてみてくださいね。