ビリー・エクスタインは、アメリカ合衆国のスウィング時代のジャズ・シンガー、ポップ・シンガー、バンドリーダーで、まるでオペラ歌手のように豊かなバリトンの声で知られています。彼の「I Apologize」 (MGM, 1948) は1999年にグラミー殿堂賞を受賞した。ニューヨーク・タイムズは彼のことを「影響力の大きいバンドリーダー」と評し、彼の「洗練されたバス・バリトン」と「ポピュラーソングへの喉を使った甘いアプローチ」はアール・コールマン、ジョニー・ハートマン、ジョー・ウィリアムス、アーサー・プリソック、そしてルー・ロウルズなどの歌手たちにインスピレーションを与えました。

アビー・リンカーンは、アメリカ合衆国イリノイ州シカゴ出身のジャズ・ボーカリストで、ビリー・ホリデイを敬愛し、しばしばビリーの後継者と評価されてきました。62年にはマックス・ローチと結婚して（1970年に離婚）、彼の政治的主張に影響を受けた。その代表作がキャンディドに録音した『ウイ・インシスト』。また、リバーサイドに録音が多く、『アビー・イズ・ブルー』が有名です。

ヘレン・メリルは、アメリカ合衆国の女性ジャズ歌手で、15歳から歌手として活動し、N.Y.のクラブでマイルス・ディヴィス、バド・パウエル、J.J.ジョンソンなどと共演する機会を得て飛躍的に成長、そのハスキーな歌声は、しばしば「ニューヨークのため息」と評されました。

オスカーブラウンジュニアは、アメリカの歌手、ソングライター、脚本家、詩人、公民権運動家、俳優で、オスカー・ブラウン・ジュニアのように、シリアスな問題を時には笑いも入れながらエンターテイメントに昇華して表現できるアーティストの存在が、アメリカの文化を豊かにしていったとされ、こうしたシニカルさが海を越えた英国のモッズ達にも支持されています。

ジューン・クリスティは、アメリカ合衆国の女性ジャズ歌手で、1950年代を代表する白人ジャズヴォーカリストで、アニタ・オデイ、クリス・コナーと並び、スタン・ケントン・オーケストラが輩出した女性歌手の中でも傑出した存在です。ウエストコースト・ジャズの基調の一つであった「クール」を体現し、スイングのセンスとコントローラブルなテクニックを兼ね備える洗練された歌唱で、モダン・ジャズボーカルにおける後続の範となりました。

カート・エリングは、アメリカ合衆国のジャズ・ボーカリストで、90年代始めにブルーノートと契約を結び、6枚のアルバムを同レーベルからリリース、後にコンコードに移り4枚アルバムを発表します。 アルバムデディケイテッド・トゥー・ユーにてグラミー賞を受賞、またその他リリースされたアルバムも全てグラミー賞候補にノミネートされています。力強い歌声と、優れたスキャット、また4オクターブの音域を持つバリトンシンガーとして注目を集めています。

アニタ・オデイは、アメリカ合衆国出身のジャズ歌手で、ハスキーボイスと、個性的な歌い方から生まれるメリハリの効いたスウィング感が特徴。 クリス・コナー、ジューン・クリスティらと並び、スタン・ケントン・オーケストラが輩出した女性歌手（「ケントン・ガールズ」と言われる）の1人であり、1950年代から1960年代に成功を収め、「ジャズ界のイゼベル （The Jezebel of Jazz）の異名を持ちました。

ブロッサム・ディアリーは、子供のような独特の歌声が特徴のアメリカのジャズ・シンガーです。時に「ビ・バップのベティ・ブープ」と評されることもあり、作家のドン・ウィンズロウは、ブロッサムをモデルに、スパイとして活躍する美しいジャズ歌手のヒロインを生み出しています。

クリス・コナーは、アメリカ合衆国出身のジャズ歌手で、安定感のある歌唱力を持ち、ハスキーボイスが特徴で、アニタ・オデイ、ジューン・クリスティらと並び、スタン・ケントン・オーケストラが輩出した女性歌手の一人とされています。1950年代のジャズ界を牽引した天才ジャズシンガーです。

ボビー・マクファーリンは、アメリカ合衆国のジャズ歌手で、1988年、リズムやベースなどを全て自身の声だけで多重録音した「ドント・ウォーリー・ビー・ハッピー」が、アメリカのヒットチャートでNo.1を獲得、これは伴奏に楽器を一切使っていない曲としては史上初であり、ジャズ歌手の曲としてはルイ・アームストロング以来の快挙となりました。また、グラミー賞では、最優秀レコード賞と最優秀楽曲賞を受賞、マクファーリン自身も最優秀男性ポップ・ボーカル賞を受賞し、3冠を達成しています。

1944年に映画女優としてデビュー、歌手に転向したのは50年代になってからです。のちに結婚するピアニストで作曲家のボビー・トゥループの指導を受け、1955年に『彼女の名はジュリー』を録音。その中からシングル・カットされた「クライ・ミー・ア・リヴァー」がヒットして一躍人気歌手の仲間入りを果たします。ハスキー・ヴォイスによるセクシーな歌声が悩殺的でした。