愛知県の貧しい農家の次男坊として誕生した横井英樹さんは、15歳の時に上京し、東京日本橋のメリヤス問屋へ丁稚奉公に入りました。

その後、独立した横井英樹さんは、29歳の時に第二次世界大戦をきっかけにボロ儲けのチャンスを得ました。

それまで経営していた繊維問屋を畳み、防暑服等の軍需品の製造を一手に引き受けて、一財産築き上げたんですよね。いわゆる戦争成金というやつです。

また、終戦後は繊維産業の先細りを見越して、不動産業に乗り出した横井英樹さん。そして、この不動産行でも大儲けし、当時の総資産は20億円以上になっていたそうです。

そして、横井英樹さんはこの資金を元に、当時老舗百貨店だった白木屋の乗っ取りを謀ったり、箱根富士屋ホテルの支配権争奪を謀るなど、様々な方面でその悪名を轟かせていたと言います。

そして、そんな中で発生したのが、1982年のホテルニュージャパン火災事件だったんですよね。

前述したように、禁固3年の実刑判決が確定した横井英樹さんは、1994年から八王子医療刑務所に服役しました。

1996年に仮釈放となり、1997年には刑期を終えるのですが…その翌年である1998年11月30日に、虚血性心疾患により85歳でこの世を去っています。

Zeebraさんが2008年11月に、ラッパー生活20周年を記念した自伝「ZEEBRA 自伝 HIP HOP LOVE」を出版したのですが、その中で祖父、横井英樹さんについて赤裸々に語っています。

今回は、その中からZeebraさんとの関係や仲にまつわるエピソードをいくつかご紹介しましょう。

幼い頃のZeebraさんは、祖父の仕事について詳しく知らず、単に「気前の良いじいさん」と慕っていたそうです。

そんなZeebraさんの認識を一変させたのが、Zeebraさんが10歳の時に起きた、ホテルニュージャパン火災事件でした。連日のようにテレビで叩かれている祖父を見て、大きな衝撃を受けたそうです。

また、事件後の報道の中で、横井英樹さんが老舗百貨店・白木屋の買収を企てるなどして「乗っ取り屋」と呼ばれていた過去を知り、幼心に「問題のある人だったんだなぁ」と複雑な思いを抱えたそうです。

横井英樹さんはZeebraさんの母方の祖父に当たる人物ですが、「Zeebra　父親」で検索すると、祖父と同じ名前の「横井英樹」との答えが返ってくるんですよね。

これは一体どういうことなのでしょうか？

答えは簡単で、祖父である横井英樹さんとZeebraさんが養子縁組をしているからなんですよね。

ただ、Zeebraさんはそのことをずっと知らなかったそうで、結婚する際に戸籍を取り寄せたところ、初めてその事実を知ることになったのだとか。

横井英樹さんには、長男の邦彦さんと次男の裕彦さんという2人の息子がいます。それでも孫を養子にしたと言うことは、Zeebraさんを跡継ぎに選んだと言うことなのでしょうか？

それとも、孫のZeebraさんを2人の息子たちと同列に扱おうとしたのかも知れませんね。

ただ、Zeebraさんの本名は「横井英之」と言い、なんと2人の息子を差し置いて、祖父である横井英樹さんの「英」の字を受け継いでいるんですよね。

その点から考えると、横井英樹さんはZeebraさんを跡継ぎにするために、養子縁組をしたと考えた方がしっくりくるかも…。

いかがでしたでしょうか。

ヒップホップ界のカリスマとして知られるZeebraさんの祖父・横井英樹さんのプロフィールや経歴について振り返るとともに、Zeebraさんとの関係や2人の仲にまつわるエピソードについてまとめてみました。