小室哲哉と浜田雅功の関係・H Jungle with tの代表曲まとめ
J-POP界において燦然と輝く一時代を築いた小室哲哉さんとダウンタウン浜田雅功さんによる音楽ユニット「H Jungle with t」の代表曲に関する制作秘話や大ヒットした理由、さらに小室哲哉さんと浜田雅功さんの仲や関係についてまとめました。
小室哲哉さんは、そんな浜田雅功さんの声について、次のように分析しています。
まだ「おっさん」っていう年齢じゃない、若者たちの頼れる兄貴だった浜ちゃん。経験は豊富だけど、決して説教じみているわけじゃなくて「俺もこうなりたい」「こういう人がいてくれたら」って思える存在。女性からみたら、ぶっきらぼうだけど優しい憧れの上司的な感じかな。あと当時はファッションリーダー的な立ち位置でもあったからね。そういうのを全てひっくるめて出来上がったのが「WOW WAR TONIGHT」でした
そんな浜田雅功さんの特徴的な声に多大なインスピレーションを受けた小室哲哉さんは、楽曲の制作もスムーズに進み、『H Jungle with t』のデビュー曲となった「WOW WAR TONIGHT」は、なんとプロデュースを引き受けて1週間もかからずにできていたそうです。
③ 「WOW WAR TONIGHT」に込めた想いが当時の社会情勢に寄り添った
『H Jungle with t』のデビュー曲となった「WOW WAR TONIGHT」は、1995年3月15日にリリースされました。
この日付を見てピン!と来る人も少なくないと思いますが、ちょうどこの曲の制作中だった1995年1月17日には、未曾有の大災害「阪神・淡路大震災」が発生しているんですよね。
さらに、リリースした5日後の3月20日には、オウム真理教による「地下鉄サリン事件」が発生しています。
日本人がこれまでに経験したことがない悲惨な大災害や大事件に直面し、日本社会が混迷を極める中、マスメディアはこぞって「この社会をどう変えていくべきか」ばかりを声高に語っていた時期でもあるんですよね。
小室哲哉さんはそんな風潮に対抗するべく、「WOW WAR TONIGHT」に次のような熱い想いを忍ばせたそうです。
そんなことが声高に語られる時代に、僕はみんなが直面していた小さいけれど大変なことや、そこからの変革・脱出をイメージした曲をつくろうと思い立った。社会を構成しているのは一人ひとりの人間たちで、みんな誰もが自分たちの生活をなんとかやっていくことのほうが切実な問題だと感じたのだ。
(中略)
僕が書いたのは、「なんとか自分を守って生きている」「でもなにかを起こしたい」というような、みんなが普遍的に持っているリアルな気持ちだった。僕は“たかが音楽”でできることは、小さくても大変なことで頑張っている人たちを応援することだと考えていた
そんな小室哲哉さんなりの飛びっきりの応援歌が、当時の疲弊しきった日本人の心にぴったりと寄り添ったことで、想像を遙かに越える国民的大ヒットに繋がったのかも知れませんね。
『H Jungle with t』がリリースした楽曲まとめ【動画あり】
最後に、そんな『H Jungle with t』がこれまでにリリースした楽曲について、現在視聴できる動画とともにまとめてみました。
①「WOW WAR TONIGHT 〜時には起こせよムーヴメント」
H Jungle with t / WOW WAR TONIGHT ~時には起こせよムーヴメント - YouTube
出典:YouTube
1995年度のオリコン・シングルCD売上ランキングでは、トップのドリカム「LOVE LOVE LOVE」に一歩及ばず、惜しくも第2位で終わるも、200万枚以上の大ヒットを記録するとともに、その年のNHK紅白歌合戦に初出場しています。
「WOW WAR TONIGHT ~時には起こせよムーヴメント」は当時世界的に流行していた音楽スタイル・ジャングルの要素を取り入れた楽曲。先鋭的なサウンドとは裏腹な、覚えやすいメロディと働き盛りのサラリーマンを応援するような歌詞が広い世代に支持された。作詞作曲は小室によるもので、ラップパートにはglobeのマーク・パンサー、曲の合間と最後の語りにはダウンタウンの松本人志も参加している。
②「GOING GOING HOME」
H Jungle with t / Going Going Home (LIVE) - YouTube
出典:YouTube
1995年7月19日にリリース
『H Jungle with t』の2ndシングルで、同ユニット誕生のキッカケとなった、ダウンタウンがMCをつとめるフジテレビの音楽番組「HEY!HEY!HEY! MUSIC CHAMP」のイメージソングに起用された楽曲です。
浜田雅功さんがこの曲のデモテープを最初に聞いた際、「なんやこれ!めっちゃ難しいやん、この曲!」と叫んで一度帰ってしまったというエピソードがあります。
発売前の予約分だけで100万枚をプレスしたと言われており、前作「WOW WAR TONIGHT」に続き、2作連続でのミリオンセラーを達成するも、1995年度年間オリオンチャートは20位どまりでした。
③「FRIENDSHIP」
H Jungle With t - Friendship 1996 - YouTube
出典:YouTube
1996年4月24日にリリース
『H Jungle with t』の3rdシングルで、浜田雅功さん主演のドラマ「竜馬におまかせ!」の主題歌に起用されました。
ドラマの視聴率が低迷したこともあり、前2作に比べるとセールスが振るわず、総売り上げ枚数は70万枚にも及びませんでした。それでも前2作がスゴ過ぎるだけで、十分に大ヒットしたと言って良い数字なんですけどね~
ちなみに、小室哲哉さんは後に、この「FRIENDSHIP」は自身が作詞した楽曲の中で、ベスト5に入るくらい気に入っていると語っています。
さrない、辛口で知られるコメンテーターの古市憲寿さんも、次のようにこの曲を絶賛していたりします。
「この歌がすごく好き。坂本龍馬みたいな『優しくて不器用な男が~』みたいな話を歌っていて。『時代にそぐわなくても自分が正しいと思うことを言ったほうがいい』みたいなことを多分言っていて。それがすごく『情報プレゼンター とくダネ!』とかの情報番組と重なるんですよね。だから何を言うにもすごい勇気がいるし、すごくもがきながら僕らはやっているじゃないですか。だから何か『みんながこう言うからこうとかじゃなくて、ちゃんと思ったことを言っていこう』と思っていて…」
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1995年3月15日にリリース