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そんなMIKIKOさんの覚悟の訴えに対してですら、電通側は「佐々木氏に任せていた」の一点張りで、新たな対応を取ろうとはしなかったそうです。

それどころか、MIKIKOさんはこの時に初めて、別の演出家(佐々木宏氏)がアサインされており、既に新しい企画をIOCにプレゼン済みであることが知らされるんですよね。

佐々木宏氏

佐々木宏氏

この時に感じたであろうMIKIKOさんの憤慨と絶望感は、察するに余りありますね。

そして、MIKIKOさんが上記のメールを送信してから、約3週間後の2020年11月9日、オリンピック組織委員会の武藤敏郎事務総長に辞任届を提出しています。

そんなMIKIKOさんに対して、武藤事務総長は、「ぜひ残っていただいて従来通りやってほしい」と慰留したとコメントしていますが、実際のところはとても“慰留”と呼べる代物ではなかったことが、後のMIKIKOさんのコメントにより明らかになっています。

11月になって新しい企画、新しい演出家のもとで改めてオファーを頂きましたが、その企画に一から関わっていない以上、責任が取れるものではありませんでした。

コロナ禍による簡素化という名目でオリンピックを食い物にした電通

佐々木宏がMIKIKOのオリンピックを乗っ取った

MIKIKOさんに代わって、開会式の演出を統括する立場に立った佐々木宏氏は、“電通出身”という強力なコネを利用して、開会式の企画案を自分が一から作り直したいとの野望を抱きました。

佐々木宏氏

佐々木宏氏

そのため、MIKIKOさん率いる演出チームを徹底的に排除し、蚊帳の外に置いた状態で、リハーサル直前の状態まで進んでいたMIKIKOチームの企画案を白紙にしてしまうんですよね。

そして、佐々木宏氏自身が新たに練り上げた企画案をIOCに提示にするのですが…IOCはMIKIKOさんの企画の方が優れていると、ことごとく却下したと言います。

すると佐々木宏氏は、あろうことかIOCから絶賛されたMIKIKOさんの企画を部分的に使ったり、切り貼りしたりして自分のアイデアにするという、クリエイターにあるまじき行為に手を染めたとも…。

本当の黒幕は電通のNo.2との声も…

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しかし、そんな佐々木宏氏を演出の責任者に据え、MIKIKOさんを引きずり降ろした本当の黒幕は、電通のNo.2と目されているT氏だと言われています。

このT氏は、次の通達を出した張本人とも言われているんですよね。

「スポンサー契約や演出の細部に至るまで、電通にメリットがある形にする必要があります」(電通幹部)

〈すべての商流は電通から〉

〈他広告代理店系のスタッフはNG〉

電通にとってオリンピックはまさに“金のなる木”で、全てを仕切る必要があるわけで、演出チームのメンバーが勝手に電通以外に発注する…なんてことはあってはならないのです。

このT氏が開会式の演出に深く関与するようになったのは、2019年に入ってからのようですが、当時の責任者はまだ野村萬斎さんで、T氏には扱いづらい存在だったようです。

野村萬斎さん

野村萬斎さん

そこで、コロナ禍による簡素化という名目で演出チームを解散させ、まだ若い女性で組みしやすいと考えたMIKIKOさんを責任者に据えたのですが…

演出には並々ならぬこだわりをもつMIKIKOさんもまた、T氏には都合の悪い存在だと言うことが判明するんですよね。

ならば!とT氏が次に白羽の矢を立てたのが…電通の同期入社であり盟友関係にある佐々木宏氏だったのです。

MIKIKOを排除に追い込んだ政治家案件

T氏はまた、オリンピック組織委員会の元会長・森喜朗氏とは同じマンションに暮らし、家族ぐるみの付き合いをしている昵懇(じっこん)の仲とも言われています。

T氏は森喜朗氏の要望には何でもこたえていたようで、実際、市川海老蔵さんをオリンピックの開会式に出演させるよう求めたのも、森喜朗さんだったと言われています。

開会式に出演した市川海老蔵さん

開会式に出演した市川海老蔵さん

ただ、MIKIKOさんが責任者だった頃は、あくまで一貫性ある演出にこだわっていたことから、森喜朗さんの要望である市川海老蔵さんの出演について、首を縦に振らなかったそうです。

また、小池都知事からも「火消しと木遣りを演出に入れて。絶対よ」なんていう要望があったようで、これらのいわゆる“政治案件”を許容しなかったことも、MIKIKOさんが排除に追い込まれた要因だったと言われています。

MIKIKOが文春の排除報道を受けてTwitterで声明を発表

東京オリンピック開会式演出の執行責任者を辞任して以来、沈黙を貫いてきたMIKIKOさんでしたが、週刊文春による排除報道を受けて、自身のTwitterで声明を発表しています。

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