やはり何もないところから、曲を創り出すことに苦労はされていたようですが、この文章を読む限り、そのことすら楽しんでいる様子がうかがわれ、とても自殺を図る直前の人が書いたものとは思えません。

また、その約1ヶ月前の8月23日には、嫁の上原多香子さんが結婚記念日を夫婦2人でお祝いする様子をブログで綴るなど、夫婦仲も良好だったと傍目には見えたのですが…。

TENNさんが自殺した翌日の2014年9月26日には、生前のTENNさんがファンへ宛てた遺書の全文が、所属事務所の公式サイト上で公開されました。

その内容は次の通りです。

なお、所属事務所のスタッフによると、TENNさんは複数の遺書を遺しており、このファンに宛てたもの以外にも、メンバーや家族に宛てたものもあったそうで、それらの遺書の内容については公表されませんでした。

ただ、公式サイト上にて、次のような表現でその他の遺書の存在と、その内容を報告するにとどめていたんんですよね。

では、TENNさんが自殺した原因は何だったのでしょうか？

前述したように、TENNさんが所属するET-KINGは、2014年4月に活動を休止したばかりでした。

ただ、それはあくまでメンバーそれぞれの“充電”を目的とする前向きな決断で、実際、TENNさんはメンバーのセンコウさんとBUCCIさんの３人で、ユニット「ヒロウモンズ」を結成し、大阪を中心に積極的なライブ活動を展開していました。

とは言え、収入面では思うような稼ぎができていなかったようで、一部にかなり焦っていたとも言われていたようです。

一方、妻の上原多香子さんと言えば、かつてSPEEDのメンバーとして一世を風靡したアイドルであり、解散後も女優として着実にステップアップ重ねていました。

そんな2人の夫婦間格差に目を付けたマスコミは、こぞって次のような扇情的なタイトルを付けて、TENNさんの自殺原因を推測していたんですよね。

そんな中、TENNさんの死去から丸3年が経過しようとしていた2017年8月上旬、TENNさんが妻・上原多香子さんに宛てた遺書の全文が明らかになったんですよね。

この遺書を公開したのは、TENNさんの弟さんでした。彼は、公開した理由について次のように語っています。

TENNさんが亡くなった当初、この遺書が存在すること自体は公表されていたものの、その内容については、ただ…

「メンバーや、家族に向けたものもTENNらしい、暖かいメッセージばかりで、亡くなる理由めいたことは見受けられませんでした」

とだけ語られていました。しかし、実際にはその後もTENNさんの両親や弟さんらを苦しめ続けることになる、驚くべき内容が書かれていたんですよね。