つまり、KEIKOさんは、地声が出なくなる超高音域で、ファルセット（息漏れの裏声）を使うか、あるいは硬い声での高音発声であるミックスボイスやヘッドボイスを使うかを、明確に区別することができるボーカリストなのです。

また、KEIKOさんは、そのファルセットにも特徴があるんですよね。

特に近年では、地声とファルセットの境目が少ないことをウリにしているボーカリストや、まるで地声のように強く響くファルセットが出せることをウリにしているボーカリストも少なくありません。

しかし、KEIKOさんのファルセットは、地声と比べても明らかに音量が落ちることが多く、あえて地声と区別しているフシがあるのです。

つまり、KEIKOさんは地声の延長線上としてファルセットを使用していない点が、最大の特徴と言えるのだとか。

じゃあ、地声とファルセットを区別することで、どういう効果が生まれるのでしょうか？

globeにおけるファルセット部分は、力強く発声する地声部分との落差がある分、弱さを感じるんですよね。

西貴正さんによると、その弱さが“少女感”を演出しており、さらにその際、音程も若干不安定な感じを出すことで、楽曲にスリリングな印象を付加しているのだとか。

それがglobeの楽曲の歌詞とあいまって、少女が大人の階段を一歩一歩のぼっていく感じを演出しており、聴く人が現在の自分と重ねやすく、より共感を得られやすい状況を作りだしていると言います。

以上のようにKEIKOさんには、特徴的なファルセットやミックスボイス、ヘッドボイスなど、様々な発声法を適宜使い分けているのですが、実は歌唱テクニック的には、それほど癖が強いボーカリストではありません。

しかし、KEIKOさんが歌うと、癖がないのに誰が聴いてもすぐにわかるくらい、常に独特の雰囲気をまとっているんですよね。

その理由はやはり、KEIKOさんの声に魅力があることに尽きると言えます。

攻撃的なハイトーンボイスから、囁くようなウィスパーボイスまで、KEIKOさんの歌声には、他のアーティストにない魅力が溢れており、歌唱テクニックではなく、声の変化により表現の幅を広げているボーカリストだと言えそうです。

いかがでしたでしょうか。

あの小室哲哉さんが、その歌声に一発で惚れ込んだと言われる、音楽ユニット「globe」のボーカル・KEIKOさん。

今回、そんなKEIKOさんの歌声の特徴や歌唱力の秘密についてまとめてみました。

KEIKOさんと言えば、2021年2月に小室哲哉さんとの離婚が成立し、当初、報じられたほどの大きな後遺症もないようで、現在は復帰に向けて着実に前に進まれているようです。

また、メジャーデビュー30周年を迎える2025年あたりに、globeが再始動する…なんて噂もあるようですが、実際のところはどうなんでしょうね。

今後も、KEIKOさんの動向に注目していきたいと思います。