MISIAさんの歌唱力の凄さとして真っ先に挙げられるのが、ピッチの正確性なんですよね。

どんなアーティストでも、LIVEではどうしてもピッチがズレたり、声が出ていない…なんてことは普通にあることなのですが、MISIAさんに限ってはそれがほとんど見られません。

しかも、先ほどご紹介した動画でもそうなのですが、歌いながら結構激しいダンスなども披露しているから驚きです。

ビブラートと言えば、今や歌唱テクニックとしては一般的ですが、MISIAさんのビブラートは彼女の最大の武器とも言われており、響きが豊かでとっても心地良いんですよね。

また、声の揺らし方やその幅、ビブラートの長さに声量など、フレーズに応じて微妙に使い分けをしており、常に最適な表現方法を選択している点で、MISIAさんのビブラートは最高級だと言われています。

さらに、MISIAさんの豊かな表現力を支えているのが、「フォール」と呼ばれる歌唱テクニックです。

「フォール」とは、発声した後にそこから少しだけ音程を落とすことで、歌声に表情を付けるテクニックです。

このフォール、多用は厳禁ですが、効果的に使うことで“切なさ”や“憂い”、“儚さ”などの印象を与えることができます。

そして何より、MISIAさんの最大の特徴はダイナミクスにあると言われています。

前述した様々な種類の発声法を駆使して、静かにしっとりと歌い上げるフレーズから、感情を爆発させる壮大なフレーズまで、ダイナミクス溢れる表現力を持っているんですよね。

そして、それを可能にするのが、種類の異なる歌声を自在に行き来する完璧なコントロール力と、正確なピッチやリズム感だと言われています。

そんなMISIAさんのダイナミクスや表現力が堪能できると話題になったのが、2019年5月公開の映画「居眠り磐音」の主題歌に起用された「LOVED」です。

圧倒的な声量で聴衆を魅了するMISIAさんには珍しく、かなり抑えた歌声でしっとりと歌い上げた楽曲なのですが…

それでもウィスパーボイスやファルセットといった息を多く含む歌声と、豊かな倍音を響かせた太いチェストボイスやミックスボイスを駆使し、これだけのダイナミクスを感じさせるアーティストは唯一無二かと。

いかがでしたでしょうか。

幅広い音域と豊かな倍音を響かせるミックスボイス、正確なピッチにグルーヴ感溢れる歌唱により、日本におけるR＆Bシンガーとしての地位を確立した、“5オクターブの歌姫”ことMISIAさん。

この記事では、そんなMISIAさんの音域や歌声の特徴、そして彼女の歌唱力を支える4つの歌唱テクニックについてまとめてみました。

MISIAさんの「5オクターブの歌姫」というキャッチフレーズは、どうやら単なるイメージ戦略だった可能性が高そうですが、その圧倒的な表現力の高さや唯一無二の存在感にゆるぎはありません。

今回、MISIAさんの歌唱力について調べていくなかで、もっとも印象に残ったのが、先ほどご紹介したライブ動画「つつみ込むように... 」のコメント欄にあった、次のコメントです。

MISIAさんと言えば、とかくその音域の広さや歌唱力の高さが注目されがちですが、彼女の本当の魅力というのは、このたった2行のコメントに尽きるのではないでしょうか。

今後もそんなMISIAさんの活躍に注目していきたいと思います。