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同曲では、喉を潰してがなり上げるエッジボイスに、ノイジーなトーンボイス、伸びやかで美しいファルセットに繊細なウィスパーボイスと、何種類もの声質がまさに“フレーズごと”にかわるがわる顔を出します。

その上で、ビブラートやしゃくりなど、様々な歌唱テクニックを「これでもか!」と駆使し、曲に奥行きを与え、その独特の世界感を見事に表現しているんですよね。

このようにたった1曲の中でさえ、様々な声質や歌唱テクニックで変化をつけ、聴く者を魅了するAdoさんに対して、小田和正さんはまさにその対極にいると言って良いくらい、歌唱表現のバリエーションが少ないのです。

序盤はとっても優しい声で、切なく歌上げると、サビに入るや持ち前の美しく、抜けるような高音で聴衆を圧倒する…。

しかも、小田和正さんは多くのアーティストはもちろん、今や素人ですらバンバン実践している、ごくごく一般的な歌唱テクニックであるビブラートすらほとんどかけません。ただただ、愚直なまでに真っ直ぐな歌声で勝負しているんですよね!

悪く言えばワンパターンなのですが、小田和正さんの場合は、それが逆に聴衆の心を鷲づかみにし、揺さぶり続けるとともに、パターン化されているからこその“安心感”を与えているように感じました。

但し、歌唱テクニックという面から“歌唱力”を論じた場合には、唯一無二の歌声でゴリ押ししている感が否めない小田和正さんですから、「決して歌唱力が高いわけではない」という意見が出るのも納得ではありますね。

② “腹式発声”ではなく、喉を締め付けるように発声している

腹式発声とは、その名の通りお腹から声を出す発声法ですが、いわゆる“歌唱力オバケ”と称賛されているアーティストたちの多くは、喉や声帯に負担をかけずに豊かな声量が確保できる、“腹式発声”が身についています。

その証拠に“歌唱力オバケ”たちの歌唱シーンの画像を集めて見ると…

歌唱力オバケ① 尾崎紀世彦さん

歌唱力オバケ① 尾崎紀世彦さん

マイクからめっちゃ離れていますね~

歌唱力オバケ② 玉置浩二さん

歌唱力オバケ② 玉置浩二さん

艶のあるロングトーンが聞こえてきそう…

歌唱力オバケ③ 和田アキ子さん

歌唱力オバケ③ 和田アキ子さん

近年は劣化が囁かれていますが…。

歌唱力オバケ④ 松山千春さん

歌唱力オバケ④ 松山千春さん

松山千春さんはマイクを横にズラすタイプですね

歌唱力オバケ⑤ 布施明さん

歌唱力オバケ⑤ 布施明さん

もはやこの人にはマイクすらいらない…。

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そんな日本を代表する“歌唱力オバケ”たちに対して、小田和正さんの歌唱シーンを見てみると…

小田和正さんの歌唱シーン①

小田和正さんの歌唱シーン①

唇がマイクにひっつきそう…

実はひっついていたりして(笑)

小田和正さんの歌唱シーン②

小田和正さんの歌唱シーン②

このように、小田和正さんの場合は、地声に近い低いレンジであろうと、ウィスパーボイスであろうと、最大の特徴であるハイトーンボイスであろうと、どのシーンを見てもマイクに唇をひっつけるようにして歌っているんですよね。

もしも声量があるのであれば、こんなマイクの使い方はしないでしょうし、特に高音を発声しているシーンでは、首に筋が浮かぶほど喉に力を入れて、締め付けるように発声していることがわかります。

小田和正さんの発声について

小田和正さんの発声について

首に筋が浮かぶほど喉に力を入れて、締め付けるように発声する小田和正さん。

実際、小田和正さん本人も、「どうしたら高い声で歌えるのか」という質問に対して、次のように答えています。

「僕はただシャウトしているだけ」

先ほどは、「小田和正さんはビブラートすらかけずに、ただただ愚直なまでに真っ直ぐな歌声で勝負している」と書きましたが、喉に力を入れて発声しているため、ビブラートをかけていないのではなく、実はかけたくてもかけられない…なんて説まであるようです。

ちなみに、素人が高い声を出そうとする時も、喉を締め付けて無理やり歌おうとするものなのですが、どうしても芯のないキンキン声になってしまい、そのような絞り出すような高音は聴いていて不快でしかありません。

ところが、小田和正さんの高音は、喉を締め付けて発声しているにもかかわらず、包み込むような優しさで溢れているんですよね。

最後に、そんな小田和正さんの歌声の特徴についてまとめてみたいと思います。

小田和正の歌声の特徴について

ビブラートやしゃくりなどの歌唱テクニックをあえて封印し(実は“できない”との説もあり)、発声方法も素人的。ただただ唯一無二の歌声だけを武器に、多くのファンを魅了してきた小田和正さん。

そんな小田和正さんの歌声の最大の特徴であり、最大の魅力は、あの伸びやかで透き通るような美しいハイトーンボイスです。

どれだけ高音になっても張り上げてしまったりだとか、キンキンしたりすることもありません。小田和正さんのハイトーンボイスは、しっかりと芯を保っているので、全てを優しく包み込むような優しさで溢れているんですよね。

小田和正さん本人曰く、「声変わりの記憶がない」そうなのですが、声楽的には男性が声変わりをしないということはあり得ないそうなので、声の変質がよほど穏やかだったのかも知れません。

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