北公次の父親・松下清吉は、和歌山県内でも有数の菓子問屋「清定（せいてい）」の社長でした。
大きな会社の次男として生まれた北公次は、幼少期は豪邸で裕福な暮らしをしていました。

しかし小学校2年生の時に父親の会社が倒産し、輪をかけるように父親が自転車事故で怪我を負い、しばらく働くことができなくなったことで家族は貧乏暮らしを余儀なくされました。

菓子問屋倒産から1年後、父親は新たに「丸清食品株式会社」を設立。
しかしこの会社も3年後には倒産し、その後は青果物の卸しで家計を支えました。

父親の会社が倒産したことにより、母親もボタン工場のパートに出て家計を支えなければならなくなりました。

無理な生活が祟ったのか、北公次が中学1年生の時に母親が胆石で倒れ、3回の手術と1ヶ月の入院を経験しています。

そのため北公次も家計を助けるために働かねばならず、中学生でもできる牛乳配達・新聞配達・時給100円の豆腐屋の手伝いなどで家族を支えました。

北公次は前述した経済的な事情から、中学卒業後は進学ではなく就職を選び、名古屋の玩具問屋へと集団就職しました。

しかし就職から3ヶ月後、兄が高校を中退して家出し、大阪方面に向かった後に音信不通になりました。

北公次は兄を探すため就職した玩具問屋を退職し、大阪の寿司屋の住み込み店員や、地元の鉄工製作所の住み込み工員として働き始めました。

兄は1971年に和歌山県で国道を作る工事の最中に、運転していたトラクターが崖下に落下して23歳の若さで亡くなっています。

また、妹もいたことがわかっていますが、妹に関する詳しい情報は見つかりませんでした。

ここからは北公次の結婚についてお届けします。

北公次はこれまでに2人の女性との結婚歴があり、子供は前妻との間に息子1人と娘1人、後妻との間に娘が1人生まれており、3児の父親です。

北公次はジャニーズ事務所を退所後、歌とダンスそして英会話の習得を目的に、ロサンゼルスへと発ちました。

1978年9月4日に渡米し、同年11月8日に帰国しましたが、この間に立ち寄ったハワイで日本航空の国際線客室乗務員の女性と知り合い、帰国後は彼女のアパートに転がり込んで同棲を開始しました。

彼女との交際は5〜6年に及び、1983年に彼女が妊娠したことを機に結婚。
1984年に第一子となる男児が誕生し、産休で客室乗務員の仕事を休職した妻と子供を支えるため北公次は日雇いアルバイトや倉庫内作業の短期アルバイトで家計を支えました。

妻子に恵まれた北公次ですが、ジャニーズ退所後の生活は苦しく、経済的に厳しい現実から逃げるように幻覚作用のある薬やギャンブルにのめり込むように。

次第に家の物を質屋に持ち込み、その金で薬を買うという生活にまで陥り、薬の副作用でうつ病を発症し入院を余儀なくされました。

入退院を繰り返していた1988年、ついに妻が子供を連れてマンションを出て行き、一度目の離婚に至りました。

1988年に離婚して以来、妻子とは音信不通の状態が続いていましたが、1989年に渋谷エッグマンで開催された「北公次＆スカーフェイス デビューライブ」に妻が訪れて再会し、同年夏に再婚しました。

再婚後は再びマンションで家族一緒の生活を始め、翌1990年には第二子となる女児が誕生しました。

しかし二度目の結婚生活も長くは続かず、1992年に再び離婚となり、妻子は北海道へと転居しました。

北公次が45歳になった1994年3月、ファンの女性と再婚しました。
お相手は当時37歳の資産家の令嬢で、出会いは彼女がママをしていた六本木のパブスナックに北公次が客として行ったことがきっかけです。

二人は彼女の六本木のマンションで同棲生活を送るようになり、1994年に結婚に至りました。

結婚式はハワイのシェラトン・モアナ・サーフライダー・ホテル、結婚披露宴は日本の紀尾井町のホテルニューオータニで行われ、フォーリーブスの元メンバーが全員出席しました。

再婚後、北公次は妻に「夜の仕事をさせたくない」という理由で、ブティックの経営を開始。
麻布十番と下北沢にハワイアングッズを販売する店を構えました。

この妻とはその後死別するまで長きにわたり結婚生活を送り、後に北公次にとっては第三子となる女児も誕生しています。

2012年2月22日、北公次が死去したことが報じられました。