名前：Kami
旧芸名：右狂、神村右狂
生年月日：1972年2月1日
没年月日：1999年6月21日
出身地：茨城県

ヴィジュアル系バンド「MALICE MIZER（マリスミゼル）」のドラム担当で、長くて美しい髪が魅力的なKami。
1993年に「MALICE MIZER」の初代ドラマーだったGAZの後任としてバンドに加入し、神村右狂の芸名で活動を開始しました。

「MALICE MIZER」は1992年に結成され、1997年に日本コロムビアからメジャーデビューを果たすと、「ma chérie 〜愛しい君へ〜」や「月下の夜想曲」などをリリースして人気を獲得したヴィジュアル系バンドです。

また、現在ソロアーティストや俳優として活躍しているGACKTがボーカルとして在籍していたバンドとしても知られています。

クラシック音楽とロックを織り交ぜた楽曲、白塗りの顔に中世ヨーロッパ文化を織り込んだ衣装、浮世離れした幻想的なライブがMALICE MIZERの魅力で、究極のヴィジュアル系バンドとして人気を博しました。

その圧倒的な世界観、人気の高さから、同時期にデビューしていた「SHAZNA」「FANATIC◇CRISIS」「La’cryma Christi」と共に「ヴィジュアル系四天王」と称されています。

ヴィジュアル系バンドとして高い人気を誇っていたMALICE MIZERですが、ボーカルのGACKTが脱退した直後の1999年6月21日、ドラムのKami が急逝したことが報じられました。

死因は「くも膜下出血」と発表されています。27歳という若さでした。

Kamiの命を奪った死因「くも膜下出血」とは、脳にある脳動脈瘤という血管の膨らみが破裂することにより、脳にある「くも膜」の内側が出血することをいいます。

脳動脈瘤破裂以外にも、脳動静脈奇形の破裂、頭部外傷などが原因となる場合もありますが、80〜90%が脳動脈瘤の破裂が原因と言われています。

発症するとバットで殴られたような激しい頭痛に突然襲われ、吐き気や嘔吐、血圧の上昇も伴います。
重症の場合は頭痛と同時に倒れ、死に至る危険性がある恐ろしい病気です。

突然死の死因の6.6%がくも膜下出血と言われていますが、男性よりも女性に多く発症し、40代以降からリスクが高まって最も発症するのは50〜60代と言われています。
Kamiは男性で、まだ27歳という若さでした。

リスク因子としては高血圧・喫煙・多量の飲酒、そして隔世遺伝もあります。
祖父母などに発症した者がいれば発症の確率が高まることがわかっています。
Kamiに遺伝があったのかはわかりませんが、Kamiが大のお酒好きでよく飲酒していたことは有名でした。

Kamiの死後、MALICE MIZERから脱退した直後だった元ボーカルのGACKTは、訃報を聞くなりすぐにKamiの地元を訪れました。

MALICE MIZER時代、GACKTとKamiは一番の親友と言われるほど仲が良い関係でした。
しかしGACKTの脱退時に喧嘩別れのようになり、死の前後は連絡を取り合ってなかったといいます。

Kamiの訃報を聞いたGACKTはすぐに彼の地元・茨城県へと走り、住所も実家の場所も知らないまま自力で実家を探し出しました。

知らない人の家のインターホンを押して回り、朝から探してついにKamiの実家を見つけた時には夜の9時になっていたそうです。

GACKTはそれから毎年欠かさずKamiのお墓参りをしているようで、命日と誕生日の年2回は必ずお墓に訪ねて近況を報告しているといいます。

Kamiの突然の死から15年が経った2014年、Kamiのお墓参りをするGACKTの映像が公開されました。

映像ではKamiのお墓の前で手を合わせ、その後Kamiの実家で両親に迎えられるGACKTの姿が映されています。

Kamiのお墓の場所ですが、地元茨城県にあるものの一部のファンが実家やお墓参りに行っていたようで、MALICE MIZERのファンクラブから「ご家族や周辺の方のご迷惑となりますのでおやめ下さい」と声明が出されています。
迷惑になるような行動はせず、ゆっくりと眠らせてあげたいですね。