映画「時をかける少女」や「サマーウォーズ」などの大ヒット作で知られる、細田守監督の劇場版アニメ最新作「竜とそばかす姫」で、主人公すずとベルの声役に大抜擢されたシンガーソングライターの中村佳穂さん。

「彼女こそ“すず”だ！」

“すずを見つけ出す”という並々ならぬ想いを込めて、細田監督自らが開催したオーディションに中村佳穂さんが登場し、歌い始めたその瞬間に、その場にいた誰もがこう直感したと言います。

本作が声優初挑戦となった中村佳穂さんですが、幼少期に母親を亡くしたトラウマに、今も苦しみ続ける女子高生“すず”と、仮想世界でカリスマ的人気を誇る“歌姫ベル”。主人公に内在するそんな2面性を見事に演じ分けました。

そして、とりあわけ高い評価を受けているのが…歌姫ベルの歌唱シーンなんですよね。

巨大なスクリーンに映し出される鮮やかな映像と、美しく力強い歌声で圧倒するベルの歌唱シーンは「鳥肌もの」と大変な話題になっているようです。

そこで今回、そんな中村佳穂さんの歌唱力に注目してまとめてみました。

映画「竜とそばかす姫」の劇中で、中村佳穂さんが歌唱したのは、「millennium parade」の常田大希さんが作詞・作曲したメインテーマ「U」をはじめ、「歌よ」や「心のそばに」「はなればなれの君へ」などの楽曲です。

いずれもポイントとなったのは、“中村佳穂”としてではなく、“ベル”として歌うことだったと、後に中村佳穂さんはインタビューの中で語っています。

つまり、“中村佳穂”らしさを封印して歌唱していると言うことです。

詳しくはネタバレになってしまうので書けませんが、正直なところ、映画「竜とそばかす姫」に対するネットの声は、まさに賛否両論入り乱れているといった感じのようです。

但し、中村佳穂さんの高い歌唱力や表現力、美しい歌声に関しては絶賛する声で溢れているんですよね。中村佳穂さんに対する批判的な声は、皆無と言って良いくらいでした。

なので、「ストーリー的には納得いかない部分はあるものの、中村佳穂さんの歌声を映画館の大音量で、しかも迫力ある美しい映像とともに聴けるだけでも価値はある」そんな意見が多かったようです。

ところが、先ほども少し触れたように、劇中で中村佳穂さんが歌唱した楽曲は、あくまで映画「竜とそばかす姫」のベルが歌う曲として提供されたものなんですよね。

普段、中村佳穂さんが“シンガーソングライター中村佳穂”として披露している楽曲とはもちろん異なりますし、その歌唱法も全く異なると言って良いかと。