横浜の関内駅前にある老舗天ぷら屋「天吉」を営む両親のもと、1956年に誕生した原由子さんは、幼い頃から音楽が大好きな女の子として育ちました。

幼い頃からピアノを習っていた原由子さんは、洋楽に夢中だった兄・茂雄さんの影響もあり、次第にエリック・クラプトンやエルトン・ジョン、ビリー・ジョエルなどの洋楽に目覚めていきました。

そんな原由子さんはフェリス女学院高校時代、同じくエリック・クラプトン好きの親友と2人で「ジェロニモ」という名前のデュオを結成しています。

1975年、青山学院大学英文学科に進学した原由子さんは、入学してすぐに音楽の趣味が合って意気投合した同級生の女の子と、同大の音楽サークルに入るべく、いくつかのサークルを見学して回っていたそうです。

すると、どこからともなく聞こえてきたのが…この曲でした。

原由子さんが誰よりも心酔していた、エリック・クラプトンの名曲「Badge（バッジ）」だったんですよね！

そして、この曲を見事に歌いこなしていたのが、青山学院大学の1年先輩だった桑田佳祐さんだったのです。

この瞬間、原由子さんがこの音楽サークルに入部することを決めたことは、言うまでもありません。

こうして桑田佳祐さんや関口和之さんらが所属していた音楽サークル「BETTER DAYS」に入部した原由子さんでしたが、当時の桑田佳祐さんと言えば、可愛い女の子を見つけるやすぐに声をかけるようなナンパな男だったそうです。

しかし、ライブでは「クリーム」や「ディープパープル」などのハードロック系バンドの楽曲を次々と歌い上げる桑田佳祐さんをすぐ側で見ていくうちに、彼の類い稀なる音楽的才能に気付いていったそうです。

一方の桑田佳祐さんも、原由子さんが演奏するピアノに興味があったようで、そんなある日、桑田佳祐さんが原さんに「原さん、何か1曲ピアノで弾いてみてよ」とリクエスト。

その言葉に原由子さんは、「ちょっと良い所を見せてやろう！」そう思って選んだ曲がこちら。

原由子さんがサークルに入るきっかけとなった、同じエリック・クラプトンの名曲「いとしのレイラ」だったんですよね。

すると桑田佳祐さんはとても驚いた顔でこう言ったそうです。


「やれば出来るじゃん！」


こうしてお互いの才能を認めあった2人は、1975年10月、新たなバンド「青学ドミノス」を結成すると、大学在学中に「サザンオールスターズ」として、『勝手にシンドバッド』でデビューを果たしています。

その質問というのがこちら。