名前：千 昌夫（せん まさお）
本名：阿部 健太郎（あべ けんたろう）
生年月日：1947年4月8日
出身地：岩手県陸前高田市
血液型：O型

日本の演歌歌手、千昌夫。1965年9月に「君が好き」でデビューし、1966年発売の「星影のワルツ」がロングセラーとなりミリオンヒットを飛ばしたことで、NHK紅白歌合戦に出場を果たす人気演歌歌手となりました。

デビュー初期の代表曲は他にも「君がすべてさ」「アケミという名で十八で」「懐かしの人」などがあり、いずれも10万枚を超えるヒットとなっています。

1977年に発売した「北国の春」を1979年の紅白で歌ったところ、じわじわと売れ始めて発売から2年後にミリオンを記録、オリコン年間シングルチャートで5位を獲得するロングヒットとなりました。
これがきっかけで「第21回日本レコード大賞」のロングセラー賞を受賞しています。

この頃の千昌夫は他にも「望郷酒場」「津軽平野」「夕焼け雲」など多数のヒット曲を世に生み出し、演歌歌手としてまさに〝黄金期〟を迎えていました。

歌手活動と並行して、1972年に「アベインターナショナル」を設立し、不動産事業を開始した千昌夫。
日本がバブルを迎えて好景気に沸くと、千昌夫は不動産事業に専念するため歌手活動を休止します。

不動産事業の成功により千昌夫には「歌う不動産王」の異名が付けられ、世界各国のマンションやビル、ホテルを所有する大金持ちになりました。

しかし、1991年に日本はバブル崩壊。
多くの不動産業が倒産することになり、千昌夫にも莫大な借金がのしかかります。

2000年2月に「アベインターナショナル」が経営破綻し、総額3000億円を超える借金を抱えることになりました。
後に東京地裁に特別清算を申請して負債総額は1034億円となっていますが、それでも個人が払えるような額ではない驚愕の数字です。

千昌夫は2002年に個人向け民事再生法を適用し、6年間で1億5000万円の返済という形になりました。

バブル崩壊後、千昌夫はすぐに芸能界に復帰し、歌手として再始動しました。
1991年に発売した「おやじ先生」が歌手活動再開後初の曲です。

近年はヒット作を出していませんが、2011年にNHK紅白歌合戦に22年ぶりに出場して話題になりました。

現在も代表曲である「星影のワルツ」や「北国の春」など千昌夫の曲は愛され続けていて、昭和を振り返る歌番組では必ずと言っていいほど流される名曲です。

波乱万丈な人生を送ってきた千昌夫。
そんな彼のトレードマークの一つが、額にあるほくろです。
このほくろはものまねタレント・コロッケが特大のほくろを付けて真似るなど千昌夫を象徴するものでした。

しかし2000年に千昌夫はトレードマークのほくろをレーザー手術で除去してしまいます。
本人は開運のためにという意味があったようですが、占術家の細木数子には「取らない方がよかった」と言われてしまいました。

千昌夫の身長は170cmです。
ルックスイメージ的にはもっと身長が高そうなイメージがありましたが、千昌夫は日本の成人男性の平均身長と同等でした。

千昌夫と言えば衣装も特徴的で、テレビで「北国の春」を歌う時は古びたレインコートと帽子に丸縁メガネ、長靴に手ぬぐい、旅行鞄を手に持つこともあり、着物やタキシードが多い演歌歌手の中では奇抜なファッションでテレビに登場していました。

もちろん身長や体型にバシッとハマるタキシードやスーツ姿もありましたが、「北国の春」と言えばこの衣装の印象が強いです。
千昌夫は「演歌歌手は滅多にテレビに出ないから、出る以上は目立ちたい」という理由でこのような衣装を着用していたようです。