4歳の頃に母親に勧められて音楽スクールに入り、エレクトーンを弾き始めた倉木麻衣さんは、すぐに音楽の楽しさに目覚めたそうです。

最初は映画の主題歌や好きなアニメの主題歌から入り、やがて弾きながら歌うことが好きになったと言う倉木麻衣さん。その頃には、学校から帰ると宿題よりもまず歌いたい！って感じになっていたそうです。

また、小学生の高学年くらいになると、一緒にカラオケに行く友達もできて、そこで上手く歌えると「すごいね」って褒められ、そのことでますます歌うことが好きになっていったのだとか。

中学校に進学にした頃には、洋楽好きの祖父と祖母が好んで聴いていたマライア・キャリーやマイケル・ジャクソンに夢中になったと言う倉木麻衣さん。いつしか「こんなに人を感動させる歌手になりたい…」と思うようになっていったそうです。

そして、歌手になろうと思った時から、すぐにデモテープを作り始めたという倉木麻衣さんは、それを様々な事務所に片っ端から送っていたそうです。

その頃に倉木麻衣さんが出会ったのが…音楽会社ビーイングを組織し、後に“KANONJI”名義で倉木麻衣さんのプロデューサーとなる長戸大幸さんでした。

倉木麻衣さんのデモテープを聴いた長戸大幸さんは、彼女に高校生になってからのデビューを提案するんですよね。そして、それまでは海外進出を見越して英語の勉強や様々な経験を積むとともに、デモテープもこれまで通り作り続けるべきだと助言したと言います。

そして、高校生になった倉木麻衣さんは、長戸大幸さんにビーイング傘下の音楽プロダクション「GIZA studio」を紹介され、ローリン・ヒルの「To Zion」のカバーを歌ったデモテープを送ったところ、デビューが決定することになります。

ちなみにこの時、倉木麻衣さんは高校1年生だったそうです。

そして1999年、高校の夏休みを利用して米ボストンでレコーディングを行い、同年10月、アメリカのインディーズレーベル・Bip! Recordより、全米デビューシングル「Baby I Like」を“Mai-K”名義でリリースしました。

倉木麻衣さんの父親は、俳優や映画監督、その後実業家としても活躍した山前五十洋さんです。まずは簡単にプロフィールを確認しておくことにしましょう。

山前五十洋さんの父親…つまり、倉木麻衣さんの祖父は、旧京都帝国大学出身で、出版社や印刷会社などを経営する一方、詩人としても活動していた山前實治さんです。

そんな裕福な家庭に育った山前五十洋さんは、高校2年生の時に人気作品「天馬天平」のテレビ映画化に際して行われたオーディションに応募し、約3万人の応募者の中から見事主役の座を獲得しました。

デビュー作品がフジテレビで、チャンネルが「8」だったことから、「富士八郎」という安直な芸名で芸能活動をスタートさせた山前五十洋さん。

その後も俳優として様々な作品に出演するのですが、脇役が続いたためにいつしか映画監督を目指すように…。

また、前述したように実家が印刷会社を経営しており、電通の大阪支局長と親交が深かったことから、テレビCMのアシスタントや、広告代理店やモデルクラブ、CMディレクターなど幅広い活動をしていたようです。

特に、CM制作分野では知られた存在だったようで、「アデランス」や「アートネイチャー」、「グッドイヤー」などのCMを担当しており、晩年はVシネマの制作にも携わっていたようです。