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クリスタルキングとは…

ムッシュ吉﨑(むっしゅ よしざき)

ムッシュ吉﨑(むっしゅ よしざき)

パンチパーマにティアドロップのサングラスと言う、とてもカタギの人とは思えない風貌を裏切らない、ドスの利いた巻き舌気味の低音担当と…

田中 昌之(たなか まさゆき)

田中 昌之(たなか まさゆき)

アフロヘアに“唯一無二の3オクターブの美声”と称賛された、美しく伸びやかなハイトーンボイスが魅力の高音担当。

そんな対象的な2人のリードボーカルが奏でる奇跡のハーモニーが人気を博し、1970年~80年代にかけて「大都会」や「摩天楼」、「愛をとりもどせ!!」など、数々の大ヒット曲を生み出したツインボーカルによるロックバンドです。

ところが、現在のクリスタルキングは、ムッシュ吉﨑さんによるソロプロジェクトとして活動を続けており、ムッシュ吉﨑さんと田中昌之さんら、他のメンバーとの間に刻まれたミゾは、もはや修復不可能なほど広がっていると言われています。

そこで今回、クリスタルキングのメンバー間に囁かれているいくつかの不仲の理由と、遂には裁判沙汰にまでなってしまった泥沼の内紛についてまとめてみました。

まずは、ロックバンド「クリスタルキング」の経歴について、簡単におさらいしておくことにしましょう。

クリスタルキングの経歴について

ロックバンド「クリスタルキング」は、1971年にムッシュ吉﨑さんを中心に九州で結成されました。

結成当初のクリスタルキングは、ムッシュ吉﨑さん1人がボーカルを担当し、佐世保の米軍キャンプ内にあるクラブや米兵が集まる佐世保市内のディスコで、主に米兵相手にアメリカ音楽を演奏していたと言います。

そこに田中昌之さんが加入したことにより、“低音のムッシュと高音の田中”というツインボーカル体制となったことで、主に九州を中心に徐々に人気が出始めたと言います。

そして、1976年、カバー曲「カモン!ハッスル・ベイビー」で念願のデビューを果たすのですが…セールスは思うように伸びませんでした。

グランプリを獲得して区切りをつけるつもりで臨んだ1978年秋のポプコン本選大会も、円広志さんの「夢想花」によって阻まれ、クリスタルキングは入選に終わってしまうことに…。
控え室で打ちひしがれていたメンバーを見て、ポプコンスタッフの一人がこう声を掛けたそうです。

「お前ら、九州の男やったらもう一回勝負するよね?」

この言葉が彼らの心に火を点け、「次こそは絶対にグランプリを獲ってやる!」そう奮起して作った曲が…これだぁ~

大都会 クリスタルキング - YouTube

出典:YouTube

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この「大都会」は、前回の失敗を踏まえて、次のような戦略の下、作られた曲なんだそうな。

「前回はあの“夢想花”のサビのインパクトに負けただけだから、とにかくサビのフレーズで審査員を驚かせればいい。田中の高音で歌メロが始まればビックリして審査員がマルをつけるやろうって(笑)」

(中略)

「とにかくクリキンの最大の武器であるツインボーカルを活かすこと、そしてハッタリを利かすために田中の高音を曲の冒頭に持ってこようと…それだけで決めたんです。」

そんな彼らの戦略がものの見事に大当たりし、翌1979年秋に開催されたポプコンでグランプリを獲得。

しかも、この「大都会」は、同年に開催された「第10回世界歌謡祭」でもグランプリを獲得し、これをきっかけにクリスタルキングは、キャニオン・レコードより再デビューを果たすことになります。

同年11月21日に正式リリースしたデビューシングル「大都会」は、累計150万枚を超えるミリオンセラーを記録すると、翌1980年にリリースした「蜃気楼」は、資生堂のキャンペーンソングに起用され、75万枚の大ヒットを記録しています。

クリスタルキング 蜃気楼 高音質 - YouTube

出典:YouTube

さらに、1984年にリリースした「愛をとりもどせ!!」は、大人気テレビアニメ「北斗の拳」の主題歌に起用され、50万枚のセールスを記録しました。

VHS_クリスタルキング_愛をとりもどせ!!~ユリア・・・永遠に.mpg - YouTube

出典:YouTube

クリスタルキングのメンバーが不仲になった理由とは?

そんなヒット曲を連発していたクリスタルキングだったのですが、その2年後の1986年になると、ツインボーカルの一角を担っていた田中昌之さんが、半ばケンカ別れするような形で脱退してしまうことに…。

脱退の理由は、ロックバンドにはありがちなメンバー間の“音楽の方向性の違い”だったようです。

特に、田中昌之さんは、クリスタルキングの中であまりにハイトーンボイスばかりを期待され続けたことで、自分が本当に歌いたかった音楽との乖離に不満が募り、遂にそれが爆発する形での脱退だったようです。

実際、田中昌之さんが1987年にリリースしたソロアルバム「クロスロード」には、クリスタルキング時代に多用していた高音のシャウトはほとんど見られなかったそうです。

しかし、多くのファンにとっての田中昌之さん魅力といえば、唯一無二のハイトーンボイスなわけで、当然セールスは伸び悩むことに…。

このソロアルバムの失敗により、田中昌之さんは地元・博多に戻り、やがて場末のクラブなどで細々と歌う“落ちぶれた歌手”に成り下がっていたそうです。

そんな田中昌之さんにさらなる悲劇が襲いかかったのは、1989年のことでした。

趣味の草野球でプレイ中、なんとイレギュラーした打球が喉を直撃し、自慢のハイトーンボイスが出なくなってしまったんですよね。神も仏もあったもんじゃありません。

しかし、捨てる神あれば拾う神ありで、ハイトーンボイスからハスキーボイスシンガーへと転向せざるを得なくなった田中昌之さんを、再び受け入れてくれたのは、他ならぬクリスタルキングだったのです。

1995年にクリスタルキングに再加入した田中昌之さん。これによりムッシュ吉﨑さんとの長年の軋轢も解消に向かっていたかのように思われたのですが…

1997年末、田中昌之さんは3人のメンバーを引き連れる形で、再びクリスタルキングを脱退してしまうんですよね。

クリスタルキングの内紛が遂には裁判沙汰に発展!

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